【ペルーの旅 時空を超えた旅編 そして時空を超えて】
「やっぱり俺、コンドルの神殿に行く」
そうはいったものの、まだ迷いはあった。
その時、一緒にいた旅人が
「一緒に行く」
そう言ってくれた。
その旅人が見た「私」や「時空を超えた旅」も合わせて
今日は話を進めます。
その時、私はとても緊張しているようだった。
まるで、ライオンににらまれているような。
そんな感じだったそうです。
私は重い足を一歩一歩階段の上に向かって進めていきます。
その後ろに旅人。
ついにコンドルの神殿の入口に。
迷いがないわけではない。
本当にここに入って行っていいのか?
そう自問する。
でも、魂は先に進めと・・・。
いつもの私とは明らかに違う。
緊張ではち切れそうな。
今こうして思い出しても、息苦しくなる。
一人では無理だったかもしれない。
一緒にいてくれる仲間がいるからはいれたんだと思う。
ゆっくりと今度はコンドルの神殿に向けて降りていく。
緊張が増してくる。
この先にいったい何が待っているだ。
左に階段が折れ、いよいよ核心部へ。
心の警告は最大になり、魂はそれに負けないくらい大きな声で、
「進め
ただ進め」
そう語り続ける。
ついにコンドルの神殿に。
写真はコンドルの神殿のもの。
地面にあるのがコンドルの頭。
後ろがコンドルの羽だと言われている。
そこには15名くらいの外国人がいた。
旅人の存在を確認し、一度大きく深呼吸をして、目を閉じ、ゆ
っくりともう一度見たとき、私は時空を超えた。
目の前にいた、外国人はすべて服装が変わっていた。
前に出会ったあの子のように、白い服を着て、きれいな帯をしている。
遺跡にあったロープはなく、大人がコンドルの頭へ集まっている。
私はその後ろからその様子をおずおずと覗き込む。
コンドルの頭を見たとき、
そこにあの子が横たわっている。
その瞬間にその子が亡くなっていることが分かった。
もうこの世界に帰ってこないその子。
ここは、そんな死者を天に返す神殿。
今まさにあの子は天に帰っていく。
私のとても大切な友人。
小さい私たち。
私たちは毎日一緒にいた。
たった1日を除いて。
その日にあの子は亡くなった。
だから、大切な人をいつも身近に置いておきたいんだ。
自分がその人のことを感じられる場所にいたいんだ。
だから、一人が怖い。
その時旅人もまた同じく葬儀の様子を見ていた。
話を聞くと、私と同じ時間にいたようだ。
浄化の役目を追っている過去生のの旅人。
「今日は何もしなくてもいいんだ」
そう思ったと言っていました。
私は旅人の存在がいたから、これが見れたのかはわかりません。
ただその旅人はとても強い力を持っていたかなと思っています。
今はとても感謝しています。
私は、コンドルの頭に近づくことができませんでした。
あまりに悲しく、そして自分が嫌になったから。
その時、あの子の声が聞こえてきました。
「やっと来てくれたんだね」
やっとこれたんだ。
待っていたんだ。
私をここで待っていたんだね。
あの日ちゃんとお別れができなかった小さな私。
それは魂へと受け継がれ、この日を迎えた。
最後にあの子に約束をした。
また1年後に来るよ。
またここに来るよ。
今度はちゃんとあなたに会うために来るよ。
どれくらいの時間がたったのかはわからない。
そんなに長い時間ではなかったと思う。
まだ、体はこわばっている。
心は緊張している。
でも魂だけが前に進もうとする。
旅人に
「行こう」
そう言って歩き出した。
後ろは振り返らないで。
ただ、
「来年会おう。会いに来るよ」
そう魂がつぶやいた。
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その時、私がどんな状態だったのか、
それを旅人に確かめてからこの話を書きたいと思った。
そのために、少し時間をいただきました。
私が感じたことが、どういうことだったのか?
あの時、私の体はここにあったのか。
それすらわからない状態だったから。
でも、思いがけず言われたのは、
「私も葬儀に立ちあっていた」
という言葉だった。
あの日から1か月がたとうとしている。
そんな今日でも、事細かにあの時のことを語ることができる。
それは魂の記憶だからかもしれない。
日本に帰ってきて、私はいつもの町の景色が違って見えた。
ふわふわとした感じがした。
そして、私の中の魂がとても強くなった気がする。
今まで、心と体のバランスで生きてきた人生。
そこに新しく魂が加わって、明らかにアンバランス。
このバランスが取れるまでもう少し時間がかかりそうだ。
でも今はただ、そんな自分を楽しもうと思う。
エコツアーディレクター 木村太郎
時空を超えた旅編 完
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