世界に出ようと思った時

Photo by KEIKO


上高地10年目。

ガイドとして6シーズン目を迎えた時のこと。

その春私は、この秋に上高地を去ることを決意した。

仲間にその話をすると以外にも

「もうそんな時期ですね」

の答え。

私の旅が近づいた瞬間だった。


上高地でガイドとして育ててもらい、

そこを卒業する。


そのシーズンは特別な1年となった。

すべてが最後かも知れないという思い。

だからこそすべてを味わおうと思った。


いつも上高地の森はサプライズを用意してくれる。

ここにずっと住み、ガイドとして毎日森を見ている私を感動させる。

そんな瞬間。


毎年上高地の森に感動の涙を流させてもらっていた。


でもこの年、2007年はそんなことがなく終わろうとしていた。


あるテレビの取材で、上高地を低空から空撮するという話が来た。

そのとりたての映像を見た時、私はサプライズにあっていた。

はじめてみる上高地がそこには映っていた。

私の見たことのない一面を見せる上高地の森。


その命の集合体が、私に最後のサプライズを贈ってくれた。


今でもあの驚きは覚えている。


その年の冬。

私は上高地を去り、世界に飛び立った。


世界は広い。

その広い世界で、私はたくさんの感動的なサプライズに出遭うことになる。

その時はまだそんなことは知らなかったけど。



このページではそんな私が出会ったサプライズをみなさんにお伝えしようと思う。

一緒に旅に行っている気分で読んでください。


そして、それがあなたの夢につながっていればいいな。


あなたの幸せは、きっと私も幸せにしてくれるから。


さあ、旅に出よう。

世界があなたを待っている。


エコツアーディレクター 木村太郎